本年度第1回文化交流会 その2

 文化交流会を行うとき誰が休んでもこの人は絶対出てほしい学習者がいました。
ベトナムのターキムマインさんです。

最初の出会いは約8年ぐらい前、全く日本語が話せませんでした。
私: おしごとは?
マイン おべんとう(この頃はまだお弁当を作っていますとは言えません)
私:えっ?(想像、身分は研修生ではない技術者?)携帯はあっても
電話機能とメールだけの学習者がまだまだ多かった頃です。
私はなんとなくわかった気で聞き流してしまいました。

その後、人一倍勉強熱心で真面目な彼は半年足らずでなんとか話せるように・・。
深夜彼が数えきれないほどのお弁当を作っていることもしっかり伝わりました。

私:みなさんお給料日はいつですか。何を買いたいですか。
皆:あれやこれや

マイン:なにもない1万5千円位?残して全部国の家族に送るよ。
全員:(固まる)

親孝行な学習者は多いです。
インドネシアの若者も、お給料の80%近くを国の家族に送っている者もいて、
その使い道は親が大変だから
兄弟姉妹を大学に行かせたいから等、理由は様々です。
でもマインほどの人はいませんでした。

皆からいろいろ質問がでました。
食費は(お弁当があるから)、
洋服は(今あるものでいい)
買いたいものは(ない)

   僕には夢があるんだ

写真家になるために、僕は日本でお休みの時には写真も習っているんだよ。節約して、とにかく倹約して国に帰ったらスタジオも作るつもり。夢は叶えるよ。そのために一度帰ってまた日本に働きにきたんだ。

奥さん?
応援してくれているよ。人に貸しているけど家も買ったよ。奥さんは僕の両親と住んでいるんだ。
日本語能力試験2級も悠々とクリアして、彼は今年の夏、ジャボラを卒業しました。

今までたくさん
交流会の写真をとってくれて本当にありがとうございました。
マインさんが取った浜松の街の風景はブログの看板にします。


わたしはターキムマインさんに会って、一緒に日本語を学習してから
お弁当を見るたびに彼と家族を思い、何も残さず感謝していただきます。

深夜黙々とコンビニや学校や会社に届けるお弁当を一生懸命作って
くれる外国人の研修生やマインの姿に思いを馳せながら。